※あくまで個人の感想であり、効果を保証するものではございません
私は恵、29歳の専業主婦です。
ですが、つい半年前までは独身、彼氏なしでした。
信じてもらえないかもしれませんが、私の結婚までの話をさせてください。
ささいな一言から意識しはじめる
新卒で入社した数年前、上京してきたばかりで慣れない毎日が続いていた。
人見知りな私はなかなか会社に溶け込めず、気を遣ってばかりの日々。
そんなある日、同期の亮介が声をかけてきた。
「最近元気ないじゃん、大丈夫?」
「ミスしてばっかり…いまだに慣れなくって」
「恵頑張ってるからな。コーヒー飲む?」
そう言って、忙しいはずの彼が悩みを聞いてくれた。
そのときの何気ない会話がなんだか忘れられず、少しずつ彼が気になる存在になっていった。 そんな中、短期の新しいプロジェクトを任されることになり、なんと亮介もそのチームに入っていた。
仕事中の彼にときめいて、もっと好きに
亮介と同じプロジェクトに参加するのは初めてのこと。仕事モードの彼を近くで見るのは新鮮だった。亮介は、元々仕事ができることで同期の間では評判だったけど、本当だったんだな、と驚く日々を送っていた。
ある日、新しい企画のプレゼンがあり、私の発表する番がまわってきました。
「…ですので…えっ、ええと…」
普段プレゼンをすることのない私は緊張のあまり声がどもってしまい、頭が真っ白になってしまった。
「ここはですね…」
それをみた亮介は、動じず穏やかにフォローしてくれた。
プレゼンは終了し、先方も満足してくれた様子で無事成功した。私は亮介のさりげない優しさと男らしさに、ドキドキした。
「同期だって思ってたけど、いつの間にこんなに頼れる人になったんだろう…」
言えない本心
同期メンバーは仲が良く、仕事帰りに飲みにいくことが多い。みんな部署はバラバラだが、それぞれ悩みを持っているから話しやすい。
今日も同期同士で飲み会をがあり、そこには亮介もいた。
勇気を出して、亮介に話しかけた。
「この前のプレゼン…フォローしてくれて本当にありがとう」
「全然だよ!あれからうまくいってるみたいで良かったね」
アルコールが入って顔が少し赤くなっている亮介は、仕事モードの時よりも優しく話す。それにドキドキした。
「本当はもっと早くお礼言いたかったんだけど、LINEも知らなかったし…遅くなってごめんね」
「あれ?LINE交換してなかったっけ?しようよ」
「う、うん」
思いがけず連絡先も交換することができて、浮かれている自分がいた。亮介のことがどんどん気になっている…。
帰り道、亮介からLINEがきた。
『今日も楽しかったね^^俺結構酔っちゃった笑』
『うん、楽しかった!大丈夫?気をつけてね』
『うんありがと!また皆で飲も』
皆で、か…。
やっぱり私は亮介にとってただの同期の一人でしか無いんだな…。
そう自覚しても、どんどん亮介への想いは膨らむばかりだった。
聞きたくなかった、彼の噂話
そんなある日、同期メンバーから「亮介、彼女が出来たらしいよ」との情報が。
社内で人気の亮介の噂は、すぐに広がった。
いままで彼女がいなかった方がおかしいけど、やっぱりショックだ。
彼女がいるなら諦めないと…。
家に帰ると「片思い」「忘れる方法」で検索する日々が続いた。
どんなにネットで調べても、彼の笑顔や真剣な顔が頭から離れない。
彼女がいたとしても、やっぱり亮介が好き…。
連絡するくらいならいいよね?そう思って、亮介にLINEをした。
『亮介、彼女できたって聞いたよ^^おめでとう』
何時間も考えて送った文章だったけど、既読がついて、その後返信は無かった。
やっぱり彼女ができたんだな…でも彼女ができたからって無視までしなくてもいいのに…。
よそよそしい態度に落ち込む日々…
それから数カ月、彼女がいる亮介を忘れられず、既読スルーされたLINEを何度も見返す日々が続いていた。
会社で会っても、よそよそしい。以前は笑顔で挨拶してくれたのに…。以前の亮介はよく同期の飲み会にも顔を出していたけど、
憂鬱な気持ちで通勤していると、同期メンバーからのメールに目を疑った。
『亮介、今月末で会社辞めるんだって><送別会しよ~!』
そんな…今まで通り会えなくなるかも…どうしよう?
不安と焦りがいままで以上に大きくなった。
もう一度話したい悩みに悩んで、もう一度亮介にLINEを送った。
『お疲れ様、今月で会社辞めちゃうって本当?』
…すぐに既読はついたけど、次の日になっても返信は来ない。
退職の連絡についても返信が来ないなんて、私、もしかして何かしちゃったのかな?
既読がつくってことは拒否されているわけではないと思うんだけど…。ぐるぐる考えながら、連絡が来ない理由を検索していると、ある占いにいきついた。「気分を害した?最近冷たいあの人の本心」
占いで亮介の気持ちなんて分かるわけないよね…と思いつつ、藁にも縋る思いで占ってみた。
あの人はあなたのことを手の届かない存在として見ています。
好意を寄せているのは間違いないですが、相手にしてもらえないだろうという思い込みを抱いています。なので、あの人はあなたを諦めるためにあえて冷たい態度を取ってしまうのですよ。
あなたからの好意に気付けば、あの人の態度も変わってくるはず。
もう少ししたら、あなたの気を引くために、食事に誘ったり声をかけてきたりするでしょう。その時は遠慮せずに相手の誘いに乗って。
また、告白のシュチュエーションも細かく書かれていた。
手の届かない存在だなんて…でも既読スルーされているくらい冷たくされているしな。半信半疑だったけど、心のなかでちょっぴり期待もしてしまった。
結果通りの明るい未来が待っているのかなと思ったら、前向きな気持ちになれた。
彼女がいるのに…?急展開へ
占いをした3日後のことだった。寝ようとすると、通知が一件。
誰からだろう?そう思ってLINEをひらくと…亮介からの連絡だった。
『うん、会社立ち上げることになってさ。良かったら退職前にご飯でも行こう。』
突然のことに驚いて、最初は何の話をしているのかも分からなかった。
この前の返信だけではなく、食事にまで誘われるなんて。
「本当に占い通りに誘われた…。でも彼女は…?」さまざまな感情が頭をめぐる。
あなたの気を引くために、食事に誘ったり声をかけてきたりするでしょう。その時は遠慮せずに相手の誘いに乗って。
占い結果に背中を押されて、『もちろん』と返信をすると、今までの既読無視が嘘のようにすぐに返信がきた。
『急だけど、明日はどうかな?』
最後のチャンスかもしれない。頑張って気持ちだけでも伝えてみよう。
そう思って、眠りについた。
なぜ私に冷たくしてたの…?彼の本心は
次の日、いつも同期みんなでいくような居酒屋ではなく、オシャレなレストランで食事をすることになった。
涼介はいつも通りの落ち着いた表情で、以前と同じ態度。よそよそしさは全く無かった。
彼女がいるんだよな…と思ってしまう瞬間もあったけど、占いの結果を思い出して、会話を楽しむようにした。
「…本当に、亮介といるとすごく楽しい。正直…会社からいなくなるの寂しいな」
つい本音を漏らし、私ははっとして亮介をみた。
亮介はじっと私の顔を見つめて黙っている。
変なことを言っちゃった…そう思って下を向いてしまう。
「俺、恵が好きなんだ」
「えっ…?」
ぱっと顔を上げると、仕事をしている時より真剣な眼差しでこちらを見ていた。
「恵はいつもみんなに優しいから…俺は同期のひとりくらいにしか思われてないんだろうなってずっと思ってて…」
まさか、亮介がそんなことを思ってたなんて。驚きすぎて相槌もできない。
「諦めようと思って他の人と付き合ってみたんだけど、恵からおめでとうって連絡がきてすげえヘコんでさ…、やっぱり俺は恵が好きなんだって思った。…恵が良ければ付き合って欲しい。」
冷たいと思っていた彼がまさかこんな風に私を思ってくれていたなんて…胸がいっぱいになって、「…はい。」と返事するのがやっとだった。
彼と結ばれるなんて…
亮介と付き合っただけで幸せだったのに、亮介が退職する日に「これからずっと支えていって欲しい」と言ってプロポーズされた。
まさかこんな急に結婚の話まで出るなんて…戸惑ったけど、亮介が思いつきでプロポーズなんてしない性格なのは知っている。
もちろん、返事は、『はい』。
あのとき、偶然見つけたサイトで背中を押してもらえて本当によかった。
ほんの少し、勇気を出しただけで幸せになれた。
あなたも幸せを逃さないで。
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